石油鉱業連盟 環境自主行動計画および2010年度フォローアップ
目標 1. 国内石油・天然ガス開発事業の鉱山施設での温室効果ガス排出原単位を2008年度〜2012年度における平均値で、1990年度比20%削減する。
  2. 海外においても石油・天然ガスの効率開発を進め、温室効果ガス排出削減に努める。
  3. エネルギー消費段階での二酸化炭素排出削減につながる天然ガス開発を促進する。
  4. 地球温暖化対策技術開発を推進し、温室効果ガス排出削減に貢献する。
石油鉱業連盟は2005年に環境自主行動計画に参加しました。
1.目標達成度
(1)排出原単位の状況

 

  石油鉱業連盟の排出削減対象とする温室効果ガス削減にはエネルギー由来のほかに、石油・天然ガスの開発に伴って排出される未利用ガスのフレアリングや放散による温室効果ガスの排出削減が含まれる。省エネルギー対策のほかに、それらの対処の仕方によって、油ガス田毎に排出原単位も異なってくる。したがって、生産物の成分、地域差、生産年数により異なる油ガス田の個性に合わせた対応策を省エネルギー対策と組み合わせるなどして、原単位の削減に努めることになる。近年開発された油ガス田の生産に伴う排出原単位は増加傾向にあるが、これまでの削減努力により、伸び率は低く抑えられている。
  2007年7月に発生した中越沖地震の影響を受けて、2007年度の原単位は顕著な増加を示したが、その後の復旧と削減努力によって影響は最小限にとどめた。2009年度においては、試掘井の減、放散ガスの焼却等、排出量の減少に努めたものの、北海道勇払プラントに増設された第2プラントの本格稼動に伴うエネルギー使用量が予想以上に大きかったため、2008年度に比べて、排出量、排出原単位ともに増加した。2010年度は、油ガス生産量の減少という排出原単位が増加する要因はあったものの、坑井作業の減少、放散ガスの焼却等、さらなる排出量削減努力により、2009年度に比べてCO2排出量、排出原単位ともに減少した。
  今後は、天然ガス需要の増大にともない、生産の中心が原単位の比較的高いガス田へ移行してくる傾向はあるものの、2011年に予定されている低圧ガス有効利用(勇払油ガス田)等、温室効果ガス削減対策等を強化することにより、現時点では2008〜2012年度平均予測は目標に到達する見込みではあるが、東日本大震災の影響を踏まえ、適宜対応していく。
(2)海外での温室効果ガス排出削減状況
  石油・天然ガス開発プロジェクトの当事国・地域や共同事業会社の基準に従って、温室効果ガス削減を実施している。
  ・ 随伴ガスの利用:UAE、カナダ、ベトナム、アゼルバイジャンにて実施
  ・ 随伴ガスの圧入:ベネズエラ、UAE、アゼルバイジャン、インドネシアにて実施
  ・ 廃熱利用:インドネシア、カナダにて実施
  ・ 植林事業:UAE、ベネズエラ、インドネシア、オーストラリアにて実施。
(植林については、国内においても会員企業が北海道、秋田県、新潟県において実施している。)

(3)天然ガス開発の促進
  ・ 国内外での天然ガスの探鉱開発を促進するとともに、供給施設の整備・増強を行なった。
  ・ 国内においては、千葉県、新潟県において各1坑の採掘井、北海道において1坑の探掘井を掘削した。
  ・ 国内天然ガスパイプライン網については、国産天然ガス及びLNG供給のため、石油鉱業連盟会員企業の幹線パイプラインが建設中も含めて、北海道、東北、関東、中部の東日本に敷設されており、年々拡充されている。
  ・ また、天然ガスパイプラインネットワークから離れた遠隔地の需要家にはLNGサテライト供給が行われている。LNGサテライト供給には、冬期間の厳しい気象・道路条件が予想される地域に対し、LNGタンクコンテナによる鉄道輸送方式を開発して供給を行なっている。また、北海道では、国産天然ガスを液化し、需要家にLNGサテライト供給を行っている。石油鉱業連盟会員企業ではこれらのサテライト供給システムの拡充を図っている。
  ・ 海外においては、エネルギーの安定供給に資するため、引き続き積極的に天然ガスの探鉱開発が実施されている。

(4)地球温暖化対策技術開発:CO2地中貯留技術(CCS)開発
  ・ CO2地中貯留は石油開発技術を応用して、大規模対策を実現できることから、これまで技術開発並びに事業化検討を積極的に行ってきた。また、国際的にも北海、北アフリカ、北米等で実証試験が行われ、事業環境は整備されつつある。
  ・ 国内では、石油鉱業連盟会員企業がRITEによる長岡市岩野原地区での構造性帯水層へのCO2圧入実証試験(フェーズ1)に参画(サイト提供、技術提供、共同研究等)した。同実証試験により構造性帯水層へのCO2圧入はほぼ実証できたと判断され、現在は事業化検討を行なっている。現在のところでは、100万トン以上×数ヶ所×20年程度のCO2圧入が実現可能と見込まれる。また、実現性を一気に拡げる非構造性帯水層圧入の技術研究も行われており、現在までの研究(シール/長期挙動予測/4Dモニタリング等)によって、一定条件下で非構造性帯水層への圧入が十分可能と判断されることから、現在、実証試験について検討が行われている。
  ・ 海外では、石油鉱業連盟会員企業が様々な取組みを行っている。アルジェリアで地中隔離地上設備の設計・建設を実施したほか、海外の関連事業者と天然ガスからCO2を効率的に分離する共同技術開発に取り組んでいる。また、ベトナムでもCO2EORを将来の地下貯留を見据えて実施検討中である。そのほか、豪州政府が主導して設立したGlobal CCS Initiativeに複数の会員企業が加盟し、実証プロジェクト実現に協力している。
  ・ 2010年6月に策定された「エネルギー基本計画」においても、CCSについては、コストの大幅低減や安全性向上のための技術開発の加速、大規模実証による実用化の実現、安全・環境面も含めた実用化促進のための制度・環境整備など、2020年代後半の本格的導入に向けた具体的なアクションプランを早急に策定すること、CCSの実用化に当たっては、科学的知見を高める上での基礎研究や国際的な大規模実証研究が有効であるため、研究開発の効率化や技術的知見の共有の観点から、今後も国際共同研究を加速化する必要があることとされている。
  ・ CCSの促進および本格実証試験の実現を目途として2008年5月に設立された日本CCS調査株式会社に、石油鉱業連盟会員企業が4社、会員関連会社が7社参加した。参加各社の保有する技術によって温室効果ガスの大幅削減を目指し、同社は、引き続き大規模実証試験の実施に向けて、実施場所を選定するための実地調査等を実施している。

 目標採用の理由

1) 天然ガスは、燃焼時の発生熱量あたりCO2排出量が他の化石燃料に比べて少なく、高い環境優位性を備えていることからも、その需要が増加しており、これに応えることは石油鉱業連盟の社会的な使命である。そのための増産は、生産過程での温室効果ガス排出量の増加を伴うものの、消費過程でのCO2排出量は燃料転換が進むことにより削減され、社会全体での温室効果ガス排出量削減に貢献するため、排出原単位の削減を目標とした。目標設定は当連盟が参加した2005年の足元の原単位、今後想定される原単位の高い油ガス田の増産、施設合理化等を勘案し20%に設定した。
石油・天然ガス開発業界はこれまで温室効果ガスの放散抑制、省エネルギー、施設合理化等各般の温室効果ガス排出削減を実施してきた。今後は、より条件の悪い油・ガス層を対象としなければならないので、排出原単位は基本的には上昇傾向にあるが、更なる対策の積み上げを行い、目標達成を目指す。

2) 石油鉱業連盟会員企業は海外において多くの事業を展開している。海外事業の実施にあたっては、優れた環境保全技術・省エネルギー技術が活用され、エネルギー資源開発の第一線にあって、エネルギーの有効利用が進められており、引き続き努力目標として温室効果ガス排出削減に努める。

3) 「京都議定書目標達成計画」では、天然ガスシフトの促進が重要課題の一つとして位置づけられている。天然ガスは燃焼によるCO2の排出量が、石炭の約6割、石油の約7.5割であり、窒素酸化物や硫黄酸化物の排出も少ないクリーンなエネルギーである。エネルギー源の天然ガスへの転換を通じての温室効果ガス排出削減は、石油鉱業連盟会員企業がその事業展開を通じて広くエネルギー需要家に貢献できるものであり、天然ガスの開発推進を目標として掲げた。

4) 地球温暖化対策技術開発について、CO2地中貯留技術は石油・天然ガス開発技術を応用して早期大規模温室効果ガス排出削減を実現でき、地球温暖化対策の鍵とされる。2005年9月、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によってCO2の地中貯留が気候変動に対して有効であることが確認され、高い評価が与えられた。第4次報告書ワーキンググループの報告においても、鍵となる削減策として明記されている。石油鉱業連盟は引き続きCO2地中貯留技術の早期実用化を目指す。日本における地中貯留のポテンシャルは構造性貯留層で301億t−CO2、非構造性貯留層を含めると1,461億t−CO2に及ぶ。(出典:RITE/ENAA「二酸化炭素地中貯留技術開発平成17年成果報告書」)

5) 石油鉱業連盟会員企業は、石油・天然ガスの安定供給に応え、厳しい自然と対峙しながらエネルギー資源を生産しており、エネルギーの大切さを直に知る立場から、エネルギーを有効に扱う取り組みを行なってきており、今後とも多様な地球温暖化ガス排出削減や地球環境保全に取り組み、持続的な開発を行っていく。
2.排出原単位削減目標達成への取組み
(1)目標達成のためのこれまでの取組み
    ・非効率施設の統廃合・合理化
・生産プラントでの省エネルギー設備・機器の導入、システム合理化
・操業の効率化(天然ガス自家消費量の削減)
・未利用低圧ガスの有効利用
・放散天然ガスの焼却
・環境マネジメントシステムの導入
・事務所での省エネルギー実施
・天然ガス自動車の導入
・コージェネレーションの導入
・生産プラントでの燃料電池導入

(2)実施した温暖化対策の事例

未利用低圧ガスの有効利用

  (非効率老朽油・ガス田の整理・合理化)
  生産能力減退により非効率となった福島県沖合の磐城沖ガス田の生産を停止し、坑井封鎖作業を実施した。
  (放散天然ガスの焼却)
  メタンガスの大気直接放散量削減(燃焼放散化)のための放散塔改造(東柏崎ガス田平井プラント)を実施した。
  2010年度には、山形県新堀集油所において、メタンガスの大気直接放散量削減(燃焼放散化)のためのグランドフレアー装置を設置した。放散ガスのフレアー化による2010年度(9ヶ月稼動)のCO2削減量は1,385トンである。(投資額0.36億円)
  (エネルギー効率の高いCO2分離回収技術の実証試験の実施)
  既存技術よりもエネルギー効率の高いCO2分離回収技術であるHiPACT(High Pressure Acid-gas Capture Technology)技術に注目し、2010年8月〜9月にかけて南長岡ガス田において実証試験を行い、予測されたとおりの省エネルギー性能を確認した。

(3)今後実施予定の対策
    鉱山施設での温室効果ガス排出原単位目標達成において、検討されている今後の対策は以下のとおり。
    ・施設の合理化
・生産プラントでの省エネルギー設備・機器の導入、コージェネレーションシステム導入
・操業の効率化(天然ガスの自家消費量の削減)
・放散天然ガスの焼却
・未利用低圧ガスの有効利用
・事務所での省エネルギー実施

生産プラントでの省エネルギー設備・機器の導入、システム合理化、放散天然ガスの焼却及び未利用低圧ガスの有効利用

(4)クレジットの活用状況と具体的な取組み状況
クレジットの活用状況

<具体的な取組み>
  石油鉱業連盟は京都メカニズムでの補填は考えていないが、京都メカニズムを活用したプロジェクトの推進に取り組んでいることから、これを参考として記載する。
  海外産油国においては、CCSを主体とするCDMに関心が高く、石油・天然ガス開発と関連付けて、CCSプロジェクトを立ち上げることによりインセンティブが与えられる傾向も出始めており、産油国の対応次第ではCCSを通じてのCDM取得も検討していく可能性がある。また、CCSの実証試験等、CCS技術の実用化を目指して当連盟企業の有する技術力を高めていくよう努力していく。

京都メカニズムの対応状況
3.クレジット調整(勘案)後CO2排出量

  温対法調整後排出係数に基づくCO2排出量
(1)国内石油・天然ガスの開発と温室効果ガス排出量(総量)
    石油鉱業連盟会員企業の国内における石油・天然ガスの生産量は1990年度熱量換算で79.7PJ(天然ガス換算で約19億m3)、後述する非削減対象を含む温室効果ガス排出量(総量)は約22万t-CO2であり、2010年度の温対法調整後排出係数に基づく生産量は147.3PJ(約34億m3)、温室効果ガス排出量(総量)は約57万t-CO2であった。なお、クレジット等の利用実績はない。

(2)削減対象排出量とその排出原単位目標
    削減対象は、国内石油・天然ガス開発事業の鉱山施設における活動すなわち当事業のコアである探鉱、開発、生産部門に係る活動に伴う温室効果ガスの排出原単位である。なお、排出原単位には後記(3)の前段で述べる特定の温室効果ガスを除外している。

(3)非削減対象温室効果ガス
    地下から産出する天然ガスには若干のCO2が含まれている。このCO2は、天然ガスが燃料として使用される場合、通常は最終消費段階において排出される。都市ガス事業者をはじめとする需要家は、天然ガスの不燃性ガス含有量・熱量等についてそれぞれ受入基準を有し、CO2含有量が基準を満たさない場合には、鉱山施設にてCO2は分離除去されている。分離されたCO2はもともと自然界に存在していたものであり、現状では削減余地はないことから、分離されたCO2は削減対象温室効果ガスから除外した。なお、その他原油とともに生産される随伴ガス等については、削減対象として削減に取り組んでいる。
  また、国内石油・天然ガス開発事業の鉱山施設からの排出以外に輸送部門等における温室効果ガスの排出がある。当連盟としては事業のコアである鉱山施設における活動に伴う温室効果ガスの排出削減に注力しているが、天然ガス需要の増大に応えるには、より遠距離にある消費地へと輸送することとなるため、輸送部門での温室効果ガスの排出量ならびに原単位は増加する傾向にあり、引き続き会員各社において種々の削減努力を実施していく。


温室効果ガス削減対象、非削減対象排出量内訳:表1


温室効果ガス削減対象排出量、排出原単位、生活活動量:表2
4.実排出係数に基づく実CO2排出量

  実排出係数に基づくCO2排出量

      2010年度の温室効果ガス排出量(総量)の実績値は、約58万t-CO2であった。当連盟の削減対象排出量については、3.(3)を参照いただきたい。

5.温室効果ガス排出量及び排出原単位増減の理由(3.表1、2参照)
(1)1990〜2010年度の排出量及び原単位増減の要因分析
      この期間中も石油・天然ガスの探鉱開発は継続的に行われており、新規油・ガス田の発見及び需要の増大もあって、2010年度の温室効果ガス排出総量は石油・天然ガスの生産量の増加とともに1990年比2.57倍に増加した。削減対象温室効果ガスについては、省エネルギーや未利用低圧ガスの有効利用、放散天然ガスの焼却等を積極的に実施した結果、排出量原単位は1990年比82%と削減され、排出量の伸びは1.51倍と低く抑えられた。

(2)2010年度の排出量及び原単位増減の理由(2009年度比)
      2010年度における取り組みについて、2009年度との比較では、エネルギー起源の温室効果ガスは排出量が約10%減少、原単位も約2%改善した。本年は、天然ガス供給能力の多様化をはかったため、油ガス生産量は減少したが、坑井作業の減少、放散ガスの焼却等対策によりCO2排出量も減少し、CO2排出原単位も減少した。今後は、天然ガス需要の増加にともない、生産の中心が原単位の比較的高いガス田へ移行してくる傾向はあるものの、予定されている低圧ガス有効利用(勇払油ガス田)等温室効果ガス削減対策等によって克服できる見通しにある。

6.民生・運輸部門からのCO2排出削減への取り組み
(1)オフィス・自家物流からの排出
  ・ 事務所その他の事業所での削減については、照明設備・空調設備・オフィス機器による省エネ等引き続き努力していく。
  ・ 石油鉱業連盟会員企業では、東京都環境確保条例に基づくビルオーナーのGHG排出削減に協力しており、その中には、東京都からトップレベル事業所の認定を受けたビルに入居し、2007〜2008年度のGHG排出量の平均値である基準排出量に対し2010年度〜2014年度までの5年間で4%を削減するとしたビルオーナーの義務達成に協力している会員企業もある。
  ・ 輸送は大半が委託輸送となっており、自家物流は該当しない。7頁表1に記載の輸送部門排出量は道路工事等第三者要請によるパイプライン切り替え工事の安全確保による放散と原油出荷時のIPCC基準による微量計算値等の合計によるもの。パイプライン切り替え工事の安全確保による放散を圧力コントロール等で、できるだけ少なくすべく取り組んでいる。
    なお荷主としては、原油の内航船輸送、原油のローリー輸送、LNGのローリー輸送、LNGの鉄道輸送などの運輸部門のほかに石油・天然ガスのパイプライン輸送がある。これらに関してはこれまでにLNGコンテナ輸送を開発し、モーダルシフトを実現したのが、大きな貢献であり、今後も創意工夫を凝らして、輸送効率を上げる努力をする。委託先でのローリーによるエコドライブを徹底するとともに、輸送距離の削減、ローリーやコンテナの大型化を検討中。
  ・ 東京都以外のオフィス・自家物流からのCO2排出量の目標値は設定していないが、各会員企業で省エネ対策に積極的に取り組んでいく。

  オフィスからのCO2排出量実績

(2)国民運動に繋がる取組み
      石油鉱業連盟会員企業では、企業グループであるいは単独で、以下のような取り組みを行っている。
・省エネ商品の販売
・低燃費車の導入
・燃料電池の導入
・e-ラーニングの導入
・チームマイナス6%、クールビズ運動への参加
・環境イベントへの参加

(3)製品・サービス等を通じた貢献
      石油鉱業連盟会員企業では、企業グループであるいは単独で、お客様への省エネサポートや大学、学会等での講演を行っており、石油鉱業連盟としても、エネルギー環境教育情報センターの活動に参加してエネルギー・環境の大切さ広く伝える努力を行っている。

(4)LCA的観点からの評価
      天然ガスパイプラインネットワークによる天然ガス供給拡大とともに、天然ガスパイプラインネットワークから離れた遠隔地の需要家にはLNGサテライト供給が行われている(詳細は、P2「(3)天然ガス開発の促進」を参照)。石油鉱業連盟では、こうした天然ガス供給域拡大事業を通じて、民生部門における天然ガスへの燃料転換が促進され、温室効果ガス排出削減に貢献できるものと考えている。

7.その他温暖化対策への取り組み
(1)植林
    石油鉱業連盟会員企業では、企業グループであるいは単独で、国内外で植林による温室効果ガス排出削減に関する事業を実施してきており、引き続き温室効果ガス排出削減貢献に努力する。現在のところ、計画も含め、海外ではアラブ首長国連邦、インドネシア、オーストラリア、ベネズエラで植林を実施しており、国内では北海道、秋田県、新潟県で実施している。

(2)リサイクル
  ・事業活動により発生する廃棄物のリサイクル
・生産鉱場から排出される廃油や鉄工場から排出される金属屑などの再利用促進
・掘屑・排泥水の路盤材等へのリサイクルの推進
・事務所から排出される廃棄物の分別収集、一般廃棄物の削減
・製造元企業が行うヘルメット、作業服、保安靴のリサイクル事業への協力参加

8.環境マネジメント、海外事業活動における環境保全活動等
(1)石油・天然ガス開発企業におけるHSEマネジメントシステム
    HSE(Health, Safety & Environment)マネジメントシステムは1988年の北海での海洋施設火災を契機に世界的に広まった健康、安全、環境についての約款・基準で、海外の石油・天然ガス開発においては、操業上必要不可欠なものとなっている。国内においては鉱山保安法の規定にHSEの内容が網羅されている。石油鉱業連盟会員企業では、引き続き、それぞれの環境に応じてHSEマネジメントシステムを用いて、事業を実施していく。HSEマネジメントシステムの他、ISO14001マネジメントシステムを導入し環境への取り組みを行っている会員企業もある。

(2)海外におけるその他の環境活動
    産油国は石油・天然ガス開発にあたっては、厳しい環境基準を設けている。また、共同事業者となる外国石油会社及び関連請負会社はHSEマネジメントシステムを導入し、独自の基準を設けて操業を行っている。海外における石油・天然ガス開発においては、これらのシステム・基準に基づき、温室効果ガス削減以外にも以下のような環境取り組みを行っている。
  ・環境影響の少ない水系掘削泥水の使用
  ・原油生産とともに産出される水の残存油分の処分
  ・掘削屑の地下還元
  ・リサイクル推進
  ・水質改善プロジェクトへの参加
  ・動物保護

(3)国内の石油・天然ガス開発事業から発生するBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)及びVOC(揮発性有機化合物)の排出削減
    石油や天然ガスにはPRTR対象物質でもあるBTX(ベンゼン、トルエン、キシレン)が含まれており、この排出量削減のため、ベントガス中ベンゼン除去装置導入・更新、除去装置の最適化運転、ベントガスの燃料化等の対策に取り組んでいる。
また、VOC排出削減においては、ローリー出荷施設への回収設備設置等に取り組んでいる。

(4)クリーン燃料開発:GTL、DME
    GTL(Gas to Liquids)やDME(Dimethyl Ether)は天然ガスから製造するクリーンな液体燃料で、石油・天然ガス開発に関連した技術開発として取り組んでいる。

(5)グリーン調達
    グリーン調達基準をもって既に実施中の会社もあり、引き続き広く実施されるようにしていく。

(6)その他国際貢献
    会員企業が、CO2回収・貯留による排出抑制・削減促進に協力するため、CO2回収・貯留技術に関する国際的な研究開発プログラムであるIEA-GHG(International Energy Agency Greenhouse Gas Program)にスポンサーとして加盟し、活動に協力している。また、豪州政府が主導して設立したCO2回収・貯留の実証プロジェクト推進のための機関であるGlobal CCS Instituteにも複数の会員企業が加盟して、実証プロジェクト実現に協力している。

9.ポスト京都議定書の取組
  2020年度までの取り組みとして、経団連の低炭素社会実行計画に参加し、以下の目標を設定した。

1) 国内の企業活動における2020年までの削減目標
  ・ 国内石油・天然ガス開発事業の鉱山施設での温室効果ガス(随伴CO2を除く)排出量を2020年度において2005年度実績から6万トン-CO2(27%)低減させる。
  ・ 国内石油・天然ガス開発事業の鉱山施設での温室効果ガス(随伴CO2を除く)排出原単位を2020年度において1990年度比25%削減する。
2) 地球温暖化対策技術開発:CO2地中貯留技術開発
  CO2地中貯留(CCS)技術は、石油・天然ガス開発技術を応用して大幅な温室効果ガス排出削減を実現できる可能性がある。当連盟会員企業は、2008年5月に設立された日本CCS調査株式会社に参画し、CCSの促進及び本格実証試験の実施に積極的に取り組んでいる。今後は、実用化に向けての取組等を推進していく必要があり、当連盟会員企業の保有する技術を生かしてCCSによるCO2大規模削減の実現を目指す。



  注:1) 当連盟は石油および天然ガスを探鉱・開発・生産する事業を行っている企業の業界団体である。本自主行動計画においては、会員企業の国内部門から排出される温室効果ガスを対象としている。会員には海外で事業を行っている企業が多いが、それらの企業活動に起因する数値は対象とはしていない。なお、国内で開発・生産を行っている企業は3社で、カバー率は100%である。
  注:2) メタンの排出量は温暖化係数に基づいてCO2排出量に換算した。
  注:3) 他の業界団体とのバウンダリー調整は、必要でないことを確認したため行っていない。
  注:4) 2008年度〜2012年度の推計は、当該期間各年の平均値によるものであり、参加各社の生産計画に基づく生産活動量(生産物である原油・天然ガスの熱量)と投入エネルギー推測値、ならびに電気事業連合会目標値に基づく購入電力のCO2排出係数により推測した。統一経済指標については使用していない。



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